2012/01/16

真・善・美...弓道とは!


某月某日 放射冷却により早朝から深々と冷え込み、陽が差してきたにも拘らず厳冬の一文字の一日であった。安良よっと、予てより身を切る空気に晒されて、静止不動の的と自身の体感とが対峙する弓道の修業を決心していた。
これまで京都を幾度か訪れ、たびたび通ったお堂がある。その巨大さゆえ果たしてお堂!と、云えるのかどうか...毎年1月の15日400年以上の昔から武芸の一つとして行われてきた、それは...
120mもの先の的を射る、東山三十三間堂の 通し矢! なのであった。
貞享3年(1688)に紀伊藩の和佐大八郎が120mもの先の的に一昼夜に射た矢の数は13,033本。そして8,132本射通したと云われる。
三十三間堂-正式名称は蓮華王院といい、その本堂が三十三間堂で、柱間数が三十三もある長大な建物である。中央須弥壇上の国宝 中尊千手観音座像 左右に500体ずづ安置された千手観音像群 はよく知られ、国宝の観音二十八部衆像や風神・雷神像もこの中に安置されている。
妻手(めて)にカケを!弓手(ゆんで)の内をそっと包み、甲矢(はや)をキリリ!
一直線に...。 静かに吸い込んだ息をゆっくりと止め...そして気迫の一射!
寒空を切り裂き矢を射る。射行として一本一本の成功と失敗を味わうのだ。それは背骨を伸ばし胸郭を広げ左右の均衡を図り、気力を丹田に収め精神を集中させるのだ。
正しい姿勢...自分と弓と的が一体となって冷静果敢に射放つ!平素から物事に動じない不動心を養い、淡々とした平常心で行射する修練が必要とされている。
弓道に学ぶ...それは真なるもの、善なるもの、そして射の美しさを修練する!果たして出来るのか...その「みち」は永遠ともいえる...!

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