2010/07/16

遥かなるビスワの流れ!

イムジン河は、とうとうと流れているらしい。だが、このWisla(ビスワ)川は、表面はこそ薄茶色に濁りきった水に覆われて不動のように見えるが、とてつもない水量が流れているのだ。
ポーランドを縦断しバルト海に注ぐこの大河は、そのキャメル色の濁りを携えて、上流の護岸から削られた砂を川の流れに乗せ、そして砂洲を形成しながら下流域の大地を肥沃に潤していく。
ビスワ川は蛇行しながら、要所ヾに海へ注ぐ経済の結節点となる交易の場を増殖していった。小さくはあるが優雅で美しい古城や古の都市などは、ここを行き来する商人たちから通行税を徴収する事が主目的の一つとさえ言われている。
前回もこの砂洲をご紹介したが、グーグルアースにあまりにも見事に写っていたので再度取り上げてみた。図のように岸辺にはグリーン・レッド・イエローの標識により航行区域が指定されている。要するに右岸と左岸の標識が示す航路を走りなさいと、云う事だ。少しでも油断するとたちまち砂洲に乗り上げる。川幅が広いので流れに逆らいながら微妙な操船コントロールが要求された。
リバークルーズも運河の旅と同じに、違った意味で楽しいのだ。日本では想像もつかないスケールの水の流れは夕暮れ時になると新たな姿に変身するのだった。
此処から更に数日上流に進むとビスワ川からノテチ運河に。それはポーランド内陸への進入路でも有った。川と違い運河は幅狭く、またより近くに景色が迫ってくる。無人に近いロックゲートは朝にならないと開けて貰えない。
ビスワ川流域の風景とはまた違い陸上の内陸文化を楽しめる運河は、時には数日、また1週間と食料、ワインを求め自由市場を徘徊する。どんなに歩いても、夜には必ず見つけたパブなどで楽しんだものだった。

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